
長編
私が霊を信じるようになったわけ
ボク 2020年8月20日
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」
当時、怖場が大好きで地元のスポットでは物足りないと感じていた私達は新たな怖場開拓にノリノリで賛成しました。
「ほなこっからそう遠くないからぼちぼち歩いていこかっ!」
とKを先頭にNの高校の友人勢が歩き出しました。
15分ぐらい経ってからだろうか、少し前の方を歩いていたNが私に
「もう着くみたいやわ」
と振り返りながら言ってきた。
私は
「そーか。えらい近いねんなあ」とNに返事をし、
Kに「いま向かってる怖場はどんな所?やばい?」
と尋ねた。
するとKは
「うーん…霊が出るかとかは正直分からん。だって俺ら霊感ないもん」と笑った。
それを聞いて私達も
「そりゃあ間違いないな」と笑いあった。
すると向こうのグループの一人が
「着いたでー!」と私達の方を振り返り、正面の建物を指差した。
私はKの
「やばいかは分からん霊感ないし」と笑っていた姿をみて、内心大したことないんじゃないかとたかをくくっていた。
大通りから道を外れ、車の音も聞こえないような場所にそれはあった。
それは4階建てのビルでもなければマンションでもない、【館】のような変わった作りの建物だった。
私はKに
「まじか。この雰囲気は絶対霊いるやろ。なにこの建物?」
と聞いた。
「今は廃墟になってるけど、もともとは近くの建設会社で働いていた外国人の寮やったって聞いてるで」
とKが教えてくれた。
建物の敷地回りはロープが張り巡らされていたが、私達はロープをまたいで入口に進もうと思った。
しかしその時、今まで感じたことのない悪寒が体にブレーキをかけた。
初めは自分だけかと思ったが他の友人達もロープの前で立ち止まっていた。
「ここ入るのやめとかへん?」
その場にいた一人がボソッと言い放った。
ここまで来てという思いがあっただけに誰もがその一言を言い出せずにいた。
正直ホッとした。
でも私達は悩んだ。
せっかくここまで来たのに?
じゃあこの後はなにして遊ぶの?
などなど
歩みを止めるわけにはいかない理由ばかりが頭の中を駆け巡る。
するとKが
「Tを呼ぼっか」
と言い出した。
「T?誰それ?」とNが言った。
KをはじめNの高校の友人達と私達はこの日が初対面である。
しかしTの存在はNですら知らなかった。
そこで私は「なんでTって人を呼ぶん?」とKに聞いた。
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