私の家の近くにはそこに住むと絶対に住民が失踪したり死亡したりするというマンションがあります。 そこは近所ではよく知られた心霊スポットでもありました。 そこでのお話です。 実際にそこが心霊スポットだと知ったのは中学生くらいでひょんなことから知りました。 マンションがかなり家に近いので目の前まで1人で行ってみました。 するとガラス張りの自動ドアらしきものがあり、中は意外ときれいでした。 ただ、自動ドアの真ん中には張り紙があり、大きく手書きで立ち入り禁止と書いてありました。 「見たところ、内装も意外ときれいだしどうして誰も住んでいないんだろう。やっぱり噂のせいで閉鎖されたのかな」。 そう考えながら、ガラス越しに中の様子を見ていました。 ただガラスの向こうは結構な広さの空間があって エレベーターや、階段、一階の部屋まで続くだろう廊下が見えていました。夕方だったため、暗くてあまりみえませんでしたが、頑張って見ていると、 スーーーーっ… あれ?何か黒い影が… と思って、どこからか入れる場所があるのかと少し離れて見渡してみると、廊下には壁が無く、一階の部屋のドアが見えていました。ちょうど排水用のパイプも最上階から伸びて来ているのですんなりと入れる状態です。 あ ここから入れるんだ。 そう思ってまたガラス越しに見ていると、いつまでたっても何もおきません。 そうしているうちに真っ暗になってもう帰ろうとしました。 その時でした。 エレベーターのボタンが光りだしました。 どうやら上の階から降りて来ているようです。 ちょっと怖くなりましたが、隅に隠れて見ていました。 一階に降りて来ました。 ドアが開きました。 誰もいません。 あれー?いないじゃんと思っていると またドアが閉まり、上に上がっていきました。 もう怖かったので帰ろうとバッグを手にとり、立ち上がるとケータイを落としてしまいました。 「そうだ、写真を撮って帰ろう。」 そう思って、中の空間全体が見えるように撮りました。 そして何事もなく家に帰りました。 そして夜の12時頃、そろそろ寝ようとベッドに入っていると、 写真のことを思い出しました。 見てみようと手に取って 開くと やっぱり何も写っていません。 噂は嘘っぱちじゃないかと目をそらしてまた見ると 写真の中に誰か写っています。 1人や2人ではありません。何十人という人がガラスの向こうから埋め尽くすようにこっちを覗いていました。 え…さっきは無かったのにと恐怖で消しました。 それからはもう行っていませんが、家に近いのでとても嫌な感じはします。私の身にも何も起こってはいないのですが… 文書ながくてすみませんでした。