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長編

最後の乗客/タクシー霊の正体

匿名 2024年11月7日
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がってくる音がしてきた。 「な、何や?こんな狭く険しい藪に野犬や野良猫がいる訳もないし・・・。」 と、思っていると、その「這い上がる音」に「シャン、シャン」という金属音が混じり始めた。 「こ、この音は寺等で聞いたことがある。これは錫・・・・。」 と、次の瞬間、その音の主が藪から歩道に這い上がってきた。 「ば、馬鹿な・・・。」 それはまさしく、先程見た、慰霊碑の横に建つ、錫杖を持った地蔵だった。地蔵が錫杖を立てながら、藪から這い出て来たのだ。 反対側に国道へ上がる階段があるが、階段は池の北西隅にあり、この道と人影が迫って来る道との接点になっている。すぐ下は池、国道側は絶壁の擁壁。つまり、逃げ場がない。 焦れば焦るほど、足首に絡まった雑草は解けない。地蔵は歩道に出てからも這ったまま、無表情でこちらに迫って来る。池の南西隅の竹藪から出て来た人影も道の真ん中ほどまで来ている。 「くっそー!」 仕方なくトゲの上から雑草を掴み、靴も脱ぎ、何とかソックス毎、雑草を振り解いた。そして靴を手に持ち、片足が裸足のまま階段まで走り、国道へと上がった。 そして池の方を見下ろすと、人影はなく、地蔵の這う音もしなくなっていた。 もしあのまま、地蔵と人影群に挟み撃ちにされていたとしたら、私はどうなっていたのだろうか。 そう思いながら、国道から池に向かって合掌するのだった。

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