名古屋から岐阜の中津川へむかうJR中央線。 この路線を使って1年ほど通勤していたことがあります。 通勤は、行きが岐阜の中津川方面、帰りが名古屋方面です。愛知の春日井を抜け、岐阜へ入ると定光寺、古虎渓と渓谷の脇を走ります。朝の天気が良い時などは、車窓からの眺めはとても良い路線でした。 私は車窓からの眺めが好きでいつも見ていました。残念ながら定光寺の旅館?は潰れており、廃墟と化して、荒らされていましたが、古虎渓駅を過ぎてから見える渓谷沿いの旅館がとても魅力的に見えました。 いつも窓を開放しており、天気のいい日はとても気持ち良さそうにみえました。 いいなあ、あんなところにゆっくり泊まってみたいなぁ、なんて思ってました。 ある日、同じ職場の同僚に私は、 「あの渓谷沿いの旅館しってる?」 と聞くと、同僚は 「ああ、駅から見えるとこ!あそこ気持ち良さそうですよね!」 と答えました。 するとその話を聞いていたもう一人の同僚も 「古虎渓駅からみえるところですよね!あそこ良さそうですよね!」 とのってきました。 私は 「こんど休みとって行こうか!」 と盛り上がってました。 すると地元の後輩が、 「なにいってるんですか?!あそこ廃墟ですよ!しかも古虎渓ハウスっていって有名な心霊スポットですよ?!頭おかしくないですか?」 私たち3人は顔を見合せ、 「そんなバカな(笑)」 と笑い合いました。 後輩は、 「じゃあ、営業してるなら夜明かりがついてるはずですよ。帰りに確認して見たらどうですか!」 それはその通り。 我々は出身がバラバラでしたので、そんなこと知りませんでした。 なので、我々3人は仕事の終わる時間を合わせて一緒に帰り、電車の窓際に座り、電車から確認することにしました。 「そういえば夜見たことないな」 「このトンネル抜けてすぐ見えるはずだ」 「ここ!」 「・・・・・・・。」 「あれ?...」 「見えないな...」 「どうも本当たったみたいだな...」 翌日の朝、私はいつものように電車の車窓から確認しました。 なぜ魅力的だったのか?よく見ると廃墟でした。 同僚にも聞いてみたら、2人とも 「なんであんなこと思ったのかな?」 と私と同じ意見でした。 私はなんか楽しみを奪われたような、行くまえに気づいて良かったような、なんとも言えない気持ちになりました。 心霊スポットも人を呼ぶものなのかもな。なんて思ったのが、ちょうど3年ぐらい前のことです。今日、同じところを通ったので思い出して書きました。