
長編
少女 ( 創 作 )
えい 2018年12月22日
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なコンビニ袋が握られていた。
それからHさんは 公園に行き ベンチに腰掛け 夕暮れ迫る中 元気に遊び回る 子供たちの姿をボーッと眺めていた。
そのうち 闇が広がり出し 子供たちが親に手を引かれ帰ってしまっても Hさんは 誰も居なくなった公園の遊具を見つめていた。
それからどのくらいの時間 Hさんは公園にいるのだろう?と時計に目を落とそうとした時…
あの少女の声が 何処からともなく聞こえて来た。
その声に惹かれる様に Hさんは徐に立ち上り歩き出した。
慌てて後を追った。
少女の歌声は やはり強弱がつけられていて 場所が何処なのか?分からなかった。
けれど Hさんは場所が分かっているかの様にスタスタと歩き続けた。
その後を少しの間をあけ着いて行く。
結構な距離を歩いてきた感覚がある。辺りは闇に包まれ 歩く人もまた 疎らだった。
歌声は 頭の中に響いて聞こえているようで 周りを歩く人は気付いていないようだった。
その疎らだった人もいつしか居なくなり Hさんと二人きり 夜の闇を歩いていた。
歌声が急に大きくなった。
Hさんの後ろから前を見ると 真っ白に輝く少女が 辻に立っていた。
辻に立つHさんと少女。
向き合うように立つと Hさんは コンビニ袋の中に手を入れガサガサと漁ると チョコレートの様な物を出し 半分に割ると 片方を少女に差し出した。
銀紙を剥ぎ チョコレートを口にしようとした時咄嗟に物陰から飛び出し Hさんに声を掛けていた。
「Hさんっ‼」
自分でも驚くほど大きな声が出ていた。その声は少し震えていた。
頭の中に浮かんで来る 供物を食べたら…望みが叶う?どういう意味だ?
何も分からなかった。分からなかったけど 嫌な予感だけが膨らんでどうしようも無く 気持ちが急いた。
「こんな所で何やってるんですか?帰りましょう‼」
そう言って近付こうとする。
が Hさんに近づかせまいとする少女が間に立ち通せんぼみたいに両手を広げた。
辻に立つHを見ていた。
Hさんは少し悲しそうな顔をした後 ほっとした顔をして チョコレートをかじった。
その瞬間 不思議な事が起こった。
さっきまで白く輝いていた少女が 普通に何処にでも居るような 小学生くらいの女の子になっていた。
驚いて 辻の方に目を向けると Hさんの体は白く光り出し そして もう一度 こちらを見て悲しそうな顔をして 目の前から消えて
後日談:
- 怖くはないか…な?
この怖い話はどうでしたか?
chat_bubble コメント(2件)
- 本当にあった話じゃなくても良いんだ。ン
- すごくリアルで怖かったです。しゆか