から家の前を覗く。 なにもない。 覗いた時には異様な音もバイブ音も止んでいた。 いったいなんだというのか…不思議に思いながらスマホの画面に目をうつす。赤い丸がアバターと重なったままフリーズしていた。 ゲームを終了しもう一度外を覗く。 赤い。 戦慄。 赤い。 覗いた窓に赤い人がはりついていた。 意味のわからない文章だとは思うがとにかく赤い人だった。何もかもが赤い。血のような赤ではなくもっと明るい赤。室内のわずかな明かりが皮膚も髪も眼球さえも赤いそのおぞましい姿を照らし出す。赤い大きな瞳は私のことを瞬きもせず捉えていた。 その直後のことは慌てていたため記憶が曖昧。 情けなく悲鳴をもらしていたと思うが。 玄関から一番遠い部屋にこもり鍵をかけた。そしてすぐに親に電話。でもでなかった為110番。しばらくして警察がきてくれたから事情を説明。おかしな話をしたにも関わらず親身になって対応。おかげで落ち着くことができた。周辺のパトロールを強化してくれるとのこと。この話しはこれでおわり。特にオチもない。ただもうゲームを再開する気にはなれなかった。いったいなんだったのだろう。今のところ体調に変化はない。人生で初めての恐怖体験。同じような体験をした人とかいるのだろうか。あの赤い人のことを知っている人がいるなら教えてほしい。