このお話は先月の出来事です。 朝から快晴で桜は何処もかしこも満開。 美しい桜を両親と祖母と楽しみながらドライブをしました。 「村田の婆さんの顔見に行くか?」 村田町の母方祖母(母の実家)近くを通る時の父の一言で急遽祖母宅へ連絡を入れて向かうことになりました。 お彼岸に行けなかったので母も思うところがあったようでした。 私も祖母達に逢いたかったので、嬉しかった。 両親は祖母の昼食にお寿司と私はお菓子を買いました。 本当は…お給料を貰った後だったので其なりのお菓子を渡したかった。 しかし、其処は田舎のスーパー。 結局、買ったのはヤマザキの栗饅頭と羊羮。 「あら、上等じゃない。ばあちゃん喜ぶわよ。大事なのは気持ちだよ。…あった事もないのに、バアちゃん達と同じように栞は村田のお祖父ちゃん達を思っているのを見て嬉しいと思うよ。拓也と栞は良い孫だ。」 祖母のフォローで救われましたが…。 祖母宅へついて、村田の祖母と再会。 何時もの優しい笑顔で迎えてくれた。 「良く来たね。元気そうだね。暫くみないうちに別嬪になったな。…楽しく生活出来ているみたいだね。」 「祖母ちゃん、お久しぶり。お邪魔します。祖母ちゃんも元気で嬉しいよ。お饅頭と羊羮食べてね。」 祖母は優しく微笑み喜んでくれた。 「お祖父ちゃん達と一緒に食べたいからお仏壇にお願いね。」 「了解‼」 幼い頃と変わらない私と母方祖母の会話。 仏間にいきご挨拶をして遺影の曾祖母と祖父と高祖父母の顔をみる。 曾祖母の遺影を見ると、母とそっくり。 って、あれ? …私はある間違いに気付きました。 叔父とそっくりな人を「村田のお祖父ちゃん」と思っていたのだが、実は叔父とそっくりさんが「曽祖父」で、真ん中の若い男性が「村田のお祖父ちゃん」でした。 それに気がついた私の考えをお見通しかの如く「やっと気がついたか。全くこの子は(笑)」 そんな呆れ笑いが聞こえそうな表情をした遺影の方々。 …遺影の表情が変わるのは日常茶飯事。 昔から見慣れた光景。 家に帰って来て、何か眠くなった。 昼寝をした時に不思議な事がありました。 寝ていると、布団の周りに人の気配がしました。 何か暖かい気持ちになるような不思議な感覚。 その時に頭を撫でる優しい暖かい感触。 「ようやく気が付いたか。天然さんだな。」 「全く、しっかりしてんだかぬけているのか。」 「相変わらず可愛い事をする。…グッスリ寝ているわね。何時も見守っているから、貴女は安心して笑っていなさい。」 「小さな飴っこをポッケから出しておいていた娘っこが親から貰った小遣いから買ったお菓子を買っておいていき、今は自分の力で稼いで色々理不尽な輩に負けずに頑張った証の給金で美味いものを供えてくれる…幸せだな。有り難うな。」 「可愛い寝顔ね。何時も頑張って偉いぞ。栞に酷いことをする人や悪態をつく人や理不尽な事をする人はバアちゃん達が許さないから安心しなさい。お家のお仏壇のお祖父ちゃん喜んでいるよ。毎朝お線香あげるのは栞だけだって。おちびさんを大事に持ち歩いているのも嬉しいみたいよ。ばあちゃん達の思いもいれたから御守りになるよ。」 そんな声を聞き、目を開けると金縛りになっていました。 しかし、恐怖感は無くて部屋中にキラキラした綺麗な優しい光のモヤモヤが漂っていました。 不思議と安心してしまい、寝てしまいました。 「栞ちゃん、これ6個入りなのね。一つ余るのね。」 …一つ余る羊羮にテンションをあげる母方曾祖母が可愛かった。 無邪気な子供のように喜んでいる曾祖母の可愛さに悶える曾孫。 でも…。 「…本当は曾祖母ちゃん達とお菓子食べたかった。曾祖母ちゃん達の事もお祖父ちゃんお祖母ちゃんって呼びたかった。会えなくても大好きだよ。私が今お給料稼げるのだって辛い時期を周りの人達が支えてくれたからだよ。私は、パワハラとか性犯罪にあった時に自分の命を絶っていたよ。でも…負けなかったのはばあちゃん達のお陰だよ。今私の周りにいる人達の所に…じいちゃんやばあちゃんの孫に産まれてこれて幸せだよ。だから…何時も有り難う。今笑えるのはばあちゃんやじいちゃん達が護ってくれているからでもあるんだよ。」 …ずっと私が言いたかった言葉。 生きている人達には言えたけど、今は上の世界の人達には言えないから。 でも…夢か現実かわからないけど言えた。 「…私もお小遣いをあげることは出来ないけど、栞ちゃんの趣味で楽しんでいるお遊びを通じてならお小遣いを渡せるから。お嫁にいくのに困らないようにするから任せなさい。だけど、貯金を頑張ろうとして偉いね。楽しくコツコツ貯めなさい。」 そう言われて頭を撫でられた所で目が覚めた。 部屋の中が綺麗な優しい光が漂う空間になっていた。 その直後から金運が良くなって臨時収入が入りま...