宮古島に巨大な台風が近づいてきていた。 スーパー台風314号マエミーである。 これは親戚から聞いた話である。 台風が近づいて来ていたので、何時もの様に台風対策をしていた。 外にある小物や鉢等、飛びそうな物は家の中へ入れた。 対策を終えて家で待機。暴風域へ入った後何時もの様に過ぎ去ると思っていた。 だが、台風の最も危険なエリアである、目の壁(アイウォール)が親戚の住む集落の上空へ来た時だ。想像を超える暴風が吹き荒れ出した。ものすごい轟音が鳴り響いて、建物にぶち当たり、地震がおきたかのように揺れ始めた。 「ビュービュービューーー、ゴーーーーーー。」「グラグラグラ」 ゴーと鳴り響く度に振動となって建物が揺れる。鉄筋コンクリートの家だが、破壊されそうな勢いだ。空がピカピカと光り、停電した。 親戚のおじさん曰く「今まで生きてきた中で一番恐ろしい台風だ。(歴代観測最強の台風である)第二宮古島台風コラ(最大瞬間風速85.3m/s)よりも強かった。竜巻と台風が一体化した様な感じ」 おじさんの家の向かいに住んでる親戚の家族は夜中、凄まじい暴風で恐怖していて眠れず、風呂場で震えながら、家族みんなで一夜を過ごしたそうだ。風圧で鉄筋コンクリートの家が破壊されそうな強い風だったので、眠れるわけがない。猛烈な風は丸一日かかり抜けた。 被害状況を確認。 おじさんの家の近くにある瓦屋の家が倒壊していた。電柱の大半は折れていた。小学校の図書館は分厚い窓ガラスが割れて水浸し。無茶苦茶になっていたそうです。 風呂場で一夜を過ごしてた親戚の家は、厚さ10cmもある雨戸が破壊されていた。親戚の自動車は全て廃車。集落内の牛が行方不明になっていた。数日後、十数km南にある某病院の屋上で、頭を強く打って亡くなっていた状態で見つかった。竜巻ではなく、台風の風で十数kmも飛ばされた様だ。 気象庁の観測では最大瞬間風速74.1m/s 親戚の住む集落は沖縄電力の風車があり、85m/sまでは壊れない風車だったそうだ。見事に破壊されていた。沖縄電力での観測では、最大瞬間風速90.2m/s。 この風がどれほど凄まじいものか。 日本で発生する最も強い竜巻はF(フジタスケール1〜5段階あり、5が一番強い)3であり、大体70〜80m/sだと云われている。 90m/sの風はF4と同等の強さである。 60m/sを超えると、電柱が破壊されたり、車が浮いたり移動したりする。人が空を飛ぶ危険性もここからで、90m/sがいかにやばいかがわかる。僕(沖縄県民)は50m/sを超えると外出しない。危険だからである。 90.2m/s、ここまでの凄まじい暴風が吹き荒れていたそうだ。今の風車は最大瞬間風速100m/sまで耐えられる構造になっている様です。集落内の犠牲者は一人も出なかった事が良かったと思ってる。 ちなみに僕は50m/s超えてるとも知らずに道を歩いていた事があって、突風が吹いた瞬間、2〜3秒程浮いた事があります。あの時は焦りました。無重力といいますか、そんな感じの感覚と一緒です。 追記:令和元年12月8日 今年の台風は本土に台風15号19号により被災しました。19号は猛烈に発達しましたが、徐々に衰えての上陸でした。そのため最大瞬間風速は強かった場所でも50m/sを超えなかった。問題だったのが危険半円が本来東側になるのですが、珍しく北西側が危険半円になる展開になった為、太平洋から湿った空気が次々と流れてきて、山にぶつかり、同じ場所で長時間にわたり大雨が降りました。特別警報が出る異例の事態になりました。「世界最強の台風」というデマが流れたようですが、世界最強の台風は最大瞬間風速100m/sを超えるスーパーハリケーンです。車が五階のベランダの窓に突っ込んだりする被害等、が出たりするレベルだそうです。 台風15号は非常に強い勢力で、東京都神津島に最大瞬間風速58.1m/s。千葉で最大瞬間風速57.5m/sを観測した。千葉県で広範囲の停電や瓦が吹き飛ぶ等の被害が出た。 今年最強の台風は宮古島へ接近した台風13号。最大瞬間風速は61.2m/s。車が吹き飛ぶ等の被害が出たが、報道されることは殆どありませんでした。 今年沖縄本島に接近した台風17号。暴風円が無い台風で、発達しながら久米島の西の海上を北上していた。暴風域に入るかどうか?考えた本島民は多かったと思う。久米島の西の海上を北上なので、沖縄本島が暴風域に入らないだろう。入ったとしてもそこまで強く無いはず。本島民の大半が思った事だろう。僕も台風対策しませんでした。しかし3、4時間後暴風域に入ると同時にピーク時にもなっていました。しかも中心に近い久米島よりも慶良間諸島や本島南部の方が風が強かったのです。本島北部の一部では暴風域に入っていませんでした。危険...