オレの中で最恐の心霊スポットがある。 S県のS湖という所なんだけど、そこの周りにはラブホがたくさんあって昔よくそこのラブホを使って泊まっては、朝チェックアウトしてその湖を見に行くのだが、霊感がある人はそこに行くと必ず見えるらしい。 何人か別々でそこに連れてったんだが、霊感がある四人くらいがここは本当にやばいと言ってて、とある女の子はオレの背後に無数の顔が見えたと言い、また別の女の子は帰りの車でコンビニに寄ってと言うので寄ったら塩を買ってきて、オレの車の中に塩を巻かれたこともあった。 そんな話を3年前当時の彼女(霊感あり)と外食してる時に話した。 食事の後、まだ時間もあるからちょっとドライブに行こうと彼女に行き先を告げずそこに連れてった。 彼女は途中で行き先に気づいたのだが、肝試し好きのオレに付き合わされ渋々着いてきた。 その湖は公園になっていて、その公園に着くなり彼女は何かを避けるように歩いてた。 「ここたくさんいるね。だからさっきから避けながら歩いてるの」 なんて言いながら歩いてたんだけど、湖の橋を渡る手前で彼女が何かにつまずいた。 どうしたのかな?と思ったら、 「今足掴まれた!もうこれ以上は先に行きたくない…」 と彼女が言ったので、結局湖の橋は渡らず帰ることにした。 帰りの車の中で、運転してたらオレの左肩に長い髪の毛がモサーッと触れたのに気づいた。 窓を開けてたので隣に乗ってた彼女の髪が風でなびいて触れたのかな? と思ったのでとっさに聞いたのだが、彼女はわからないと言う。 信号待ちの時に検証してみたのだが、彼女の髪は助手席から運転席まで届く長さではなかった。 あと、よくよく考えたら髪質が彼女のとは全然違った。 彼女はストレートの髪だが、オレの肩に触ったのはなんとなくウェーブがかった湿った髪質だった。 霊感のないオレも流石に 「うわー…連れて帰ってきちゃったな」 と思い、ちょっと興奮しながらも買い物がてら途中ド◯・キホーテに寄った。 ド◯キの駐車場に車を停め、降りたあとに彼女が 「後ろに女の人乗ってたね」 と言い出した。 そして不思議なのが、彼女は普段塩なんか持ち歩かないのだが、その日に限って前日なぜか親からもらったというお清めの塩と書いてある塩がカバンの中に入ってた。 その塩をお互いの身体に巻いて、その後ド◯キで買い物を終えて車に戻った頃にはもう女の人は車にはいなかったと言う。 これが霊感のないオレが唯一した体験。 ちなみにそのS県S湖は心霊スポットとしてはあまり有名な場所ではない。