
短編
修学旅行で
テツオ 2019年8月11日
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私は、修学旅行で大自然、そして心霊の町としても有名なN市を訪れた。その夜、初日と言う事でまだ疲れがないので、私と同じ部屋のメンバー5人は布団に入りながら、肩を寄せ合って恋バナなどをして盛り上がっていた。
A「ねえ、みんな堂々と好きな人を言って行こうよ。」
Y「確かに。みんなじらしすぎだよ。」
私「えーでも絶対漏れるでしょ。」
M「いいよ。私はJが好き‼︎」
K「えっマジで⁉︎Jってとっつきにくくない❓」
私「そこがクールでいいんじゃない。」
A「もしかしてS(私)もJが好きなの❓」
M「えーうそー。」
盛り上がりも一段と高まった時・・・。
ドン、ドンドンドン、ドドドン‼︎
一同「キャー‼︎」
Y「みんな、静かにしないと‼︎明日先生に叱られるでしょ。」
K「そんな事言ってる場合じゃないでしょ。」
A「どこから聞こえた❓」
ドンドンドンドン、ドドドドン‼︎
一同「キャー‼︎ 押入れからだよ‼︎」
K(押入れに一番近い)「やだー‼︎」
ガタガタガタ、ガタガタガタ、ガガガガタ。
私「冷蔵庫からも何か聞こえたよね。」
全員頷き、布団を頭からかぶる。その後もこの音はしばらく続いたが、すぐ止まり、初めのうちは眠れなかったものの、12時頃にようやく静かになった。
次の日の朝。案の定担任や副校長は取り合ってくれなかったが、自由時間に宿のスタッフに聞いてみると、信じてくれた。真剣な目つきになってこう話してくれた。
「ああ、311号室はね、毎回苦情が来るのよ。毎回お祓いはしてもらってるんだけどね。なにせ、このN市が心霊の噂が多いから。ここはね、昔同じように修学旅行できた子を泊める旅館があったの。その日も同じようにある学校の子供を泊めていたんだけどね。そしたら大きな火災が起きて、そこの311号室、つまり昨夜みなさんが寝たところと同じ位置にある部屋に泊まった子全員がなぜか助からなくて瓦礫に埋もれてしまったの。まだ遺体も見つかっていないそうよ。多分その子の霊が出してくれ、と叩いているんでしょうね。」
私達は火災の情景を思い浮かべて背中がゾーッと寒くなった。
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